経理の志望動機、例文をコピペで済ませようとしていませんか。
夜、応募書類の締め切りが迫るなか、「経理 志望動機 例文」で出てきた文章を、自分の名前に置き換えて貼り付ける。気持ちは、すごく分かります。
でも、正直にお伝えします。
その例文コピペ、面接で深掘りされた瞬間に、一発でバレます。
「なぜそう思ったんですか?」と一歩踏み込まれたとき、自分の言葉じゃない志望動機は、答えに詰まってしまう。借り物の言葉は、もろいんです。
じゃあ、どうすればいいのか。
大事なのは、志望動機を「書く」ことではありません。「掘って、組む」ことです。
あなたの中には、もう素材があります。それを掘り出して、正しい順番で組む。それだけで、コピペではない、あなただけの志望動機ができます。
私は元国家公務員から、未経験で経理に転職した現役の経理部員です。この記事では、例文を配る代わりに、あなた自身の志望動機を「掘って組む」方法を、私の実体験も交えてお伝えします。
なぜ、例文のコピペは面接でバレるのか
まず、一番大事なことからお話しします。
なぜ、志望動機の例文をコピペすると、面接でバレてしまうのか。
理由は、シンプルです。志望動機は、「作文の問題」ではなく、「素材の問題」だからです。
例文は、他人の素材で作られた、他人の志望動機です。どんなに上手に書かれていても、それはあなたの経験から出てきた言葉ではありません。
だから、面接で「具体的には?」「なぜそう感じたんですか?」と深掘りされると、答えられなくなる。素材が自分のものじゃないから、掘り下げられないんです。
逆に言えば、自分の素材から組んだ志望動機なら、いくら深掘りされても大丈夫。全部、自分が体験したことだから、いくらでも語れます。

面接官が見ているのは、文章のうまさではなく、その人自身の言葉かどうか。
ここを、勘違いしないでください!
だから、これからやることは、例文探しではありません。あなた自身の素材を、掘り出す作業です。
志望動機は「掘って組む」|まず素材を掘り出す
志望動機づくりは、2つのステップに分かれます。
- 素材を掘り出す
- その素材を、決まった型に組む
まずは、ステップ1。あなたの中にある素材を、掘り出していきましょう。
前職から、経理につながる素材を掘る
まず、これまでの仕事を振り返って、「経理につながりそうな経験」を探します。
- 数字を扱った経験(売上管理、予算、集計など)
- 正確さが求められた経験(書類チェック、ミスが許されない業務)
- コツコツ地道に取り組んだ経験
「自分にはそんな経験ない」と思うかもしれません。でも、よく掘ってみてください。どんな仕事にも、数字や正確さに触れた瞬間は、必ずあります。
職種別・素材の掘り方
「自分の仕事、経理と何も関係ない」と感じている人ほど、実は素材が眠っています。職種別に、掘り方の例を挙げます。
- 販売・接客職だった人 → レジ締めの金額チェック、在庫の棚卸し、売上日報の集計。「1円のズレも見逃さない緊張感」は、そのまま経理の適性の説明になります。
- 営業事務・一般事務だった人 → 請求書や見積書の作成、経費精算のチェック、伝票の突合作業。「数字を扱う裏方の仕事にやりがいを感じた」という流れは、経理志望と地続きです。
- 製造・工場勤務だった人 → 生産数や不良率の集計、在庫の数量管理。「現場の数字を正確に記録することの重要性を痛感した」という経験は、経理の「正確性」に直結します。
- 公務員・窓口業務だった人 → 申請書類のルールに沿ったチェック、収納金の管理。私自身がここに当てはまります。
私の場合は、公務員時代の窓口業務でした。申請書類を、ルールに沿って正確にチェックする。この「正確さを大事にする経験」が、経理につながる素材になりました。
大事なのは、「経理の実務経験があるかどうか」ではありません。「数字」か「正確さ」、どちらかに触れた瞬間が、あなたの職歴のどこかに必ずあるということです。まずはそこを、思い出せるだけ書き出してみてください。3つ書き出せたら、次のステップに進む準備は十分です。
本音を、否定せず一段掘り下げる
もう一つ、大事な素材があります。あなたの「本音」です。
経理を選ぶ本音が、「安定してそう」「ノルマがなさそう」「定時で帰れそう」だったとしても、大丈夫。その本音を、否定しないでください。
ただし、そのままでは志望動機になりません。だから、本音を「一段、掘り下げる」んです。
たとえば、こうです。
- 「安定したい」の一段下 → 「腰を据えて、専門性をじっくり積みたい」
- 「ノルマが嫌」の一段下 → 「瞬発力より、正確さで貢献したい」
- 「定時で帰りたい」の一段下 → 「計画的に働いて、質の高い仕事をしたい」
- 「人と話すのが苦手」の一段下 → 「対人折衝より、成果物の正確さで評価される仕事がしたい」
- 「今の仕事に将来性を感じない」の一段下 → 「専門知識が積み上がる仕事で、自分の市場価値を築きたい」
本音に嘘をつく必要は、ありません。ただ、その本音の「一段下」を掘ると、嘘のない、前向きな志望動機の素材になるんです。

本音を綺麗事に化かすんじゃなくて、本音の一段下を掘る。
これなら、面接で深掘りされても揺らぎません!
「一段下」がうまく掘れないときの対処法
「一段下、何を書けばいいか分からない」というときは、こう自問してみてください。
「その本音を持つに至った、きっかけの出来事は何か?」
たとえば「定時で帰りたい」の裏には、たいてい具体的な出来事があります。「残業続きで体調を崩した」「終わりの見えない仕事に疲弊した」など。その出来事を思い出し、「その経験から、どんな働き方をしたいと思ったか」を一言で言語化する。これが「一段下」の正体です。本音そのものより、本音が生まれた背景を掘るのがコツです。
掘った素材を、4つのパーツに組む
素材が掘り出せたら、次はステップ2。組み立てです。
志望動機は、4つのパーツで組むと、きれいにまとまります。
- 前職で、数字や正確さに触れた具体的な場面
- そこで感じたこと(経理への興味の芽生え)
- だから経理を目指した、を裏付ける行動(簿記の取得など)
- その中で、なぜこの会社なのか
この順番で組むだけで、筋の通った志望動機になります。
私の志望動機を、この型で組むと
例として、私自身の志望動機を、この4パーツで組んでみます。
- 公務員の窓口業務で、申請書類を正確にチェックする仕事をしていた
- その中で、数字を正確に扱うことにやりがいを感じ、数字を扱う仕事に興味を持った
- そこで、経理への転職を目指して、簿記2級を取得した
- 御社で、経理として貢献したい
これが、私の志望動機の骨格です。派手さはありません。でも、全部が自分の経験なので、面接でどこを掘られても、自分の言葉で答えられました。
大事なのは、この4パーツの「順番」です。順番さえ守れば、中身はあなた自身の素材で埋めればいい。それだけで、コピペではない志望動機になります。
別の背景でも、同じ型で組んでみると
私は公務員出身ですが、この型は職歴を問いません。試しに、別の背景でも組んでみます。
販売職からの転職の場合
- アパレル販売でレジ締めを担当し、1円単位の差異まで確認していた
- その中で、日々の数字が寸分違わず合うことに達成感を覚え、数字と向き合う仕事への関心が芽生えた
- 独学で簿記2級を取得し、経理への転職活動を始めた
- 御社で、経理として正確性を活かして貢献したい
営業事務からの転職の場合
- 営業事務として、請求書発行や経費精算のチェックを担当していた
- 数字のミスが取引先の信用に直結する怖さと、正確に処理できたときの手応えを感じ、数字を扱う専門職への興味が強まった
- 簿記2級を取得し、経理への転職を決意した
- 御社で、経理として数字の正確性を支えたい
どちらも、パーツの中身は違いますが、順番は同じです。この「順番の型」さえ守れば、あなたの職歴でも、同じように組み上がります。
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「なぜ経理?」の次に来る「なぜウチ?」に備える
ここまでで、志望動機の骨格はできました。でも、もう一つ、乗り越えるべき壁があります。
それが、「なぜ、この会社なのか」という問いです。
二段目の質問で、頭が真っ白にならないために
面接で、こう聞かれることがあります。
「経理を志望する理由は分かりました。でも、経理ならどこの会社にもありますよね。なぜ、弊社なんですか?」
実は私も、面接でこの質問を、まさに浴びました。「経理なんて、どこの会社にもある。その中で、なぜこの会社なのか」と。
「なぜ経理か」と「なぜこの会社か」は、まったく別の問いです。前者は自分の話ですが、後者は、その会社を調べないと答えられません。
「なぜこの会社か」は、企業研究でしか作れない
じゃあ、どう答えるか。答えは、企業研究です。その会社の事業内容や特徴を調べて、自分の志望と結びつけるんです。
私の場合は、応募先のIR資料を読んでいました。そこに、会計や財務に力を入れている姿勢が表れていたので、面接で「御社は会計を重視されていると感じ、経理として腰を据えて貢献できると思った」という趣旨のことを伝えました。
IR資料を読む、会社のホームページや中期経営計画を見る。そうやって調べた具体的な事実と、自分の志望を結びつける。これが、「なぜこの会社か」の作り方です。
具体的に、どこを見ればいいのか
「企業研究」と言われても、どこを見ればいいか分からない人のために、経理志望として見るべきポイントを絞ります。
- 決算短信・有価証券報告書 → 「経理・財務体制の強化」「内部統制の高度化」などの記述があれば、経理を大事にしている会社という裏付けになります。
- 中期経営計画 → DX推進、経理のシステム統合、海外展開に伴う経理体制の強化などの記述は、「これから経理の役割が広がる会社」という材料になります。
- 採用ページの社員インタビュー → 経理・財務職の社員インタビューがあれば、そこに書かれている仕事のやりがいの言葉を、自分の志望動機の語彙に借りることができます。
- 企業理念・行動指針 → 「誠実」「正確」「信頼」といった言葉が使われていれば、経理の仕事ぶりと結びつけやすくなります。
全部を読み込む必要はありません。それぞれ5分ずつ、合計20〜30分で構いません。大事なのは、「どの会社にも言える話」ではなく、「この会社の資料に、確かにこう書いてあった」という一次情報を、志望動機に1つ入れることです。
ここを準備しておくと、二段目の質問で、頭が真っ白になることはありません。
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未経験・年齢の不安は、志望動機でこう変える
もし、あなたが未経験で、しかも年齢が高めなら。「なぜ、この年齢で、未経験の経理に?」という無言の疑問にも、志望動機で答える必要があります。
でも、年齢は、負債ではありません。語り方次第で、強みに変わります。
鍵は、「キャリアの必然」として語ることです。
たとえば、こう組み立てます。
「これまでの◯年の経験の中で、数字と向き合う場面が増え、その大切さを実感してきた。その集大成として、専門性の高い経理の仕事に挑戦したい。そして、その本気度の証明として、簿記2級を取得した」
こうすると、「なぜ今さら」が「これまでの経験があるからこそ」に変わります。年齢と経験を、マイナスではなく、志望の説得力に変えるんです。
年代別の「必然」の語り方
年代によって、「必然」の作り方には少しコツの違いがあります。
- 30代前半 → 「若手として最後のチャンス」ではなく、「これまでの実務経験があるからこそ、経理の実務にもすぐ順応できる」という即戦力性を混ぜると、年齢が強みに変わります。
- 30代後半〜40代 → 未経験であっても、「マネジメント経験」や「複数部署との調整経験」があれば、「経理の中でも、他部署との橋渡し役ができる」という語り方が有効です。
- 40代以降 → 実務未経験を正面から認めた上で、「これまでの◯年で培った、正確さと責任感を、専門性という形に結晶化させたい」という語り口が、年齢を「経験の蓄積」として肯定的に変換します。
どの年代でも共通するのは、「年齢の言い訳」ではなく、「年齢だからこそ言える強み」に変換することです。
年齢と転職の関係について、もっと知りたい人は、こちらも読んでみてください。
志望動機、よくある疑問Q&A
Q. 志望動機の文字数は、どのくらいが適切ですか?
履歴書欄なら300〜400字程度、面接での口頭説明なら1分(300字前後)を目安にしてください。4パーツの型で組むと、自然とこのくらいの分量に収まります。長すぎる志望動機は、かえって「要点をまとめる力がない」という印象を与えてしまいます。
Q. 数字は、志望動機に入れたほうがいいですか?
無理に入れる必要はありません。ただ、簿記の点数や、前職での取扱件数・処理件数など、具体的な数字が素材にあるなら、1つだけ入れると説得力が増します。数字を並べすぎると、逆に「暗記した文章」に見えてしまうので、多くても1〜2個に絞りましょう。
Q. 志望動機と自己PRは、内容が被ってもいいですか?
被ってしまうのは、多くの場合「素材を使い切れていない」サインです。志望動機では「なぜ経理・なぜこの会社か」を、自己PRでは「自分の強みが、経理の仕事にどう活きるか」を語ります。前職の経験を、この2つに振り分けて使うイメージを持つと、内容が重複しにくくなります。
Q. 面接前日でも、この方法は間に合いますか?
間に合います。素材の掘り出しに30分、4パーツに組むのに30分、合計1時間もあれば骨格は作れます。大事なのは完璧な文章を作ることではなく、「自分の言葉で話せる骨格」を持って面接に臨むことです。
まとめ|志望動機は、書くものではなく、掘って組むもの
最後に、この記事の要点をまとめます。
志望動機の例文をコピペすると、面接で深掘りされたときにバレます。志望動機は「作文の問題」ではなく、「素材の問題」だからです。
だから、やるべきことは、例文探しではなく、素材の掘り出しです。
- 前職から、経理につながる素材(数字・正確さの経験)を掘る
- 本音を否定せず、その一段下を掘る
掘った素材は、4つのパーツに組みます。
- 前職で数字・正確さに触れた場面
- そこで感じたこと
- 裏付ける行動(簿記)
- なぜこの会社か
そして、「なぜこの会社か」は、企業研究(決算短信・中期経営計画・採用ページ)と自分の志望を結びつけて作る。年齢が不安なら、「キャリアの必然」として語れば、強みに変わります。
志望動機は、書くものではなく、掘って組むもの。あなたの中には、もう素材があります。それを掘り出せば、コピペではない、あなただけの志望動機ができますよ。
なお、素材を掘り出す作業は、職務経歴書づくりとも共通しています。前職の経験を経理向けに翻訳する方法は、こちらの記事で、私の実例つきで解説しています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。あなたの転職が、うまくいくことを願っています。




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