
経理って、この先も大丈夫な仕事なのかな
AIに仕事を奪われるかもしれない。そもそも、経理っていう仕事自体、これからも必要とされるんだろうか。
そんな不安を抱えて、この記事にたどりついたのではないでしょうか。
私は元国家公務員から、未経験で経理に転職した現役の経理部員です。だからこそ、正直にお伝えしたいことがあります。
経理の将来について、「絶対に安泰です!」と、無責任に言うつもりはありません。
でも、必要以上に怖がる必要もない、というのが私の本音です。
大事なのは、「経理の将来性」という漠然とした不安を、いくつかの具体的な問いに分解して、一つずつ冷静に見ていくこと。
この記事では、経理の将来にまつわる3つの不安に、現場の実感を交えて、正直にお答えします。読み終わる頃には、あなたが「この先、何をすればいいのか」まで、見えているはずです。
「経理の将来性」の不安は、3つに分けられる
まず、「経理の将来性」という言葉を、分解してみましょう。
漠然と「将来が不安」と感じているとき、その中身は、だいたい3つに分かれます。
- AI・自動化に、仕事を奪われるのでは?
- そもそも、経理という仕事の需要がなくなるのでは?
- この先も、自分は経理で食べていけるのか?
一つずつ、正直に見ていきますね。まとめて「不安」と抱えているより、分けて考えたほうが、ずっと冷静になれますよ。
不安①|AI・自動化に、仕事を奪われる?
一番大きな不安は、これですよね。
先に、正直な結論を言います。
経理の仕事の「一部」は、確実にAIや自動化に置き換わっていきます。ここは、ごまかしません。
消える仕事は、正直に言うと「ある」
たとえば、こういった作業です。
- 伝票の入力
- 単純な仕訳
- 経費の集計
- 定型的なデータ処理
こうした「決まったルールで、くり返す作業」は、機械がとても得意な領域です。
正直に言えば、これらの仕事は、これからどんどん自動化されていきます。「AIは経理を奪わない」と言い切る記事もありますが、私はそうは思いません。奪われる部分は、確かにあるんです。
でも、残る仕事のほうが、ずっと多い
ただ、ここからが本題です。
経理の仕事は、単純作業だけではありません。むしろ、機械には任せられない「判断」の仕事が、たくさんあります。
私自身の経験で、お話しさせてください。
たとえば、予算編成。これは、各部署の言い分を聞いて、会社全体のバランスを見ながら、数字を調整していく仕事です。「営業はもっと予算がほしい」「でも全体では抑えたい」。そういう人と人の間に立った、泥臭い調整は、機械にはできません。
あるいは、イレギュラーな対応。以前、製品の回収が起きたとき、その会計処理をどうするか、前例を調べ、関係部署と相談しながら、判断を組み立てました。ルールが決まっていない、初めての事態にどう対応するか。ここに、人の価値があります。
そして、数字を「伝える」仕事。決算書の数字を並べるだけでは、経営者には伝わりません。「なぜこの数字になったのか」「この変化は何を意味するのか」を、ストーリーとして語る。この翻訳は、人にしかできない仕事です。
なぜ、こうした仕事が機械に任せられないのか。それは、どれも「正解が一つに決まっていない」からです。
単純作業には、正解があります。だから機械が得意です。でも、予算の配分にも、イレギュラーな処理の判断にも、たった一つの正解はありません。状況を読んで、関係者の事情を汲んで、その場でいちばん納得のいく答えを組み立てる。この「答えのない問いに答える力」こそ、これからの経理で一番大事になる部分なんです。

単純作業は機械に。判断と対話は人に。そういう住み分けに進んでいくイメージです
AIは「敵」ではなく「道具」になっていく
ここで、視点を変えてみてください。
自動化で単純作業がなくなると、どうなるか。理屈のうえでは、私たちは面倒な入力作業から解放されて、判断や分析といった、より価値の高い仕事に集中できるようになります。
つまり、AIは経理の「敵」ではなく、面倒な作業を肩代わりしてくれる「道具」になっていく。よく、そう言われています。
正直に打ち明けると、私自身、まだ「AIを道具として完全に使いこなしている」とは言えません。現場でも、自動化が一気に進んだというより、少しずつツールが入ってきている、という段階です。だから、これは「もう実現した未来」ではなく、「これから進んでいく方向」として受け止めてください。
ただ、方向としては、はっきりしています。恐れるべきは、AIそのものではなく、「単純作業だけしかできない状態にとどまること」。ここは、現場にいても強く感じます。道具が賢くなるほど、その道具を使って何を判断するか、が問われるようになるからです。
不安②|経理という仕事の需要は、なくなる?
次の不安は、「経理職そのものが、この世からなくなるのでは?」というものです。
これについては、はっきり言えます。
経理の需要が、まるごとなくなることは、考えにくいです。
会社がある限り、経理は必要
理由は、とてもシンプルです。
会社は、必ずお金の計算をしなければなりません。売上を記録し、税金を払い、決算をまとめる。これは、法律で義務づけられていることでもあります。
つまり、会社が存在する限り、経理の仕事はなくならない。どんなにAIが進化しても、「会社のお金を管理し、責任を持って決算をまとめる」という役割は、必要とされ続けます。
しかも、経理は特定の業界に縛られません。メーカーにも、IT企業にも、飲食店にも、病院にも、経理はあります。だから、一つの業界が斜陽になっても、経理のスキルを持っていれば、別の業界に移れる。この「つぶしの効きやすさ」は、将来性を考えるうえで、大きな強みです。

経理は、どの会社にも必ずある部署。この安定感は、他の職種にはない魅力です
むしろ、人手不足という現実
それどころか、経理の現場は、慢性的な人手不足だと言われています。
特に、決算や税務に対応できる、経験を積んだ経理人材は、多くの企業が「ほしい」と考えています。単純作業が自動化されても、判断ができる経理人材の価値は、下がるどころか、上がっているんです。
不安③|この先も、自分は経理で食べていけるのか?
3つ目は、一番リアルな不安かもしれません。
経理という仕事は残る。でも、「その中で、自分は必要とされ続けるのか?」という問いです。
ここが、この記事で一番大事なところです。
分かれ道は「スキルの階段のどこにいるか」
正直にお伝えします。
これからの時代、すべての経理パーソンが安泰、というわけではありません。
分かれ道になるのは、「スキルの階段の、どこにいるか」です。
経理の仕事には、段階があります。
- 一段目:伝票入力や経費精算などの、日常業務
- 二段目:月次決算を締める
- 三段目:年次決算、税務、開示
このうち、一段目の単純作業は、これから自動化されていきます。だから、一段目にとどまり続ける人は、正直、厳しくなるかもしれません。
でも、二段目、三段目へと階段を上っていけば、話はまったく別です。判断や専門性が求められる上の段は、AIに代替されにくく、需要も高い。ここにいる人は、これからも必要とされ続けます。
つまり、「経理は将来性がない」のではありません。「階段の一段目にとどまると、将来性が細る」だけなんです。
この「経理のキャリアの階段」を、どう上っていくかは、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせて読むと、進む道がはっきりしますよ。
大事なのは、上り続ける姿勢
だから、答えはシンプルです。
学び続けて、階段を上っていく。それだけで、あなたは将来も必要とされる経理人材でいられます。
具体的には、こうです。
- 簿記2級、その先の1級や税理士科目など、知識を深める
- 決算や税務など、より上流の業務に挑戦する
- AIを「使う側」に回り、道具として使いこなす
難しいことではありません。目の前の仕事に一つずつ習熟して、少しずつ上の段に手を伸ばしていく。その積み重ねが、将来の安心につながります。
もう一つ、心強い事実があります。経理は、年齢を重ねるほど価値が上がりやすい仕事だということです。
営業のように、若さや体力で勝負する職種ではありません。決算を何度も経験し、知識を積み上げるほど、頼られる存在になっていく。経験そのものが、そのまま武器になるんです。
だから、「歳を取ったら使われなくなるのでは」という心配も、経理に関しては、あまり当てはまりません。むしろ、経験を積んだベテランほど、重宝される。この点も、将来性を考えるうえで、安心できる材料だと思います。
そして、もし今の職場で「上の段に手が届かない」「このままだとスキルが頭打ちだ」と感じているなら。それは、環境を変えるサインかもしれません。階段を上れる会社は、探せばあります。自分の経験で次にどんな段を狙えるのか、経理特化のエージェントに聞いてみると、将来の道筋が具体的に見えてきますよ。
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AI時代に、価値が上がる経理の力
最後に、これからの時代に、特に価値が上がる力をまとめておきます。
自動化が進むほど、逆に人にしかできない力の価値は上がります。
- 判断力:ルールのない事態に、自分で答えを出す力
- 分析力:数字の背景を読み、意味を見出す力
- 伝える力:数字を、経営者に分かる言葉で語る力
- 対話力:他部署や取引先と、調整しながら進める力
これらは、私が現場で「機械には任せられないな」と実感している力でもあります。
逆に言えば、こうした力を磨いていけば、AIがどれだけ進化しても、あなたの価値はむしろ高まっていく。将来性を心配するより、この力を伸ばすことに、目を向けてほしいなと思います。
自分が経理に向いているか不安な人は、こちらも読んでみてください。
まとめ|経理の将来性は「あなたがどう動くか」で決まる
最後に、この記事の要点をまとめます。
「経理の将来性」の不安は、3つに分けられます。
- AI・自動化:単純作業は消えるが、判断業務は残る。AIは道具になっていく
- 需要:会社がある限り経理はなくならない。むしろ人手不足
- 自分の市場価値:階段の一段目にとどまると厳しいが、上れば安泰
正直に言えば、経理の単純作業は、これから機械に置き換わっていきます。そこは、ごまかしません。
でも、それは「経理に将来性がない」という意味ではありません。消えるのは一段目の作業で、判断や専門性が求められる上の段は、これからも、いえ、これからこそ必要とされます。
だから、経理の将来性は、「経理だから安泰・危険」という話ではなく、「あなたが階段を上り続けるかどうか」で決まるんです。
学び続ける姿勢さえあれば、経理は、これからも十分に戦える、息の長い仕事です。過度に怖がる必要はありません。目の前の一段を、一つずつ上っていきましょう。
なお、「階段を上ると年収がどう変わるか」は、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてどうぞ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。あなたのキャリアが、良い方向へ進んでいくことを願っています。





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